「少女と囚人のジレンマ」は最高の萌えゲームでした。

最終更新:2016.04.14 (初:2007.06.17)

『少女と囚人のジレンマ』は、いわゆる同人ゲーなのです。女の子の問いかけに答えて一緒に脱出を試みるのですが、そこには根気と愛情が必要なのです。冷静に考えると「クソゲー」な気もしますが、いや、しかし、これは紛れもなく、シュールな「萌えゲー」であり、「クソゲー」だからこそ表現できる『萌え』なのです。

ゲームタイトルについて

■タイトル:「少女と囚人のジレンマ」Windows版
■配布元:ステッパーズ・ストップ
■価格:(フリーソフト)

女の子を好きになる(一緒になる)ことは難しい!?

あなたには、悲しみの連鎖に捕らわれた女の子を救うことができますか?

...えー、このゲームは、命がけで女の子を好きになる(オトス)ゲームです。笑。←ちょっと違う?^^;。

元ネタは「囚人のジレンマ」、あるいは「○×ゲーム」「信頼(裏切り)ゲーム」と呼ばれるもので、このゲームそのものは単純なものなのですが、相手が薄幸の美少女...しかし、だからといって悲しげにしている訳ではなく、自分が幸せになる為に、相手を誘惑したり騙すこともある...というだけで、いわゆる「囚人のジレンマ」話にはない、妖しさ爆発のものすごいゲームに化けていたりするわけです。

そして、人を助けることの大変さ、困難さを、きっとあなたは感じる事になるでしょう(大袈裟。

「○×ゲーム」「信頼(裏切り)ゲーム」とは何か?

2人で行うゲームです。2人が同時に○か×か宣言します。宣言したパターンによって以下の点数が入ります。

  1. 自分が○・相手も○→各々に3点ずつ。
  2. 自分が○・相手が×→自分(○を出した方)は0点。相手(×を出した方)は5点。
  3. 自分が×・相手が○→自分(×を出した方)は5点。相手(○を出した方)は0点。
  4. 自分が×・相手も×→各々に1点ずつ。

つまり、双方『○』を出し続けるのが、理論上では一番『得』なのですが、『○』ばかりを出していると、相手に『×』を出されてしまう可能性高くなる...というところが、このゲームの面白い所なのです。

囚人のジレンマについてはこちら。ただ、囚人のジレンマの場合は双方が『直接』やり取りするわけではないわけで、そういう意味ではちょっと違う気もするんだよね。

このゲーム、クリアするのは実はひじょーに難しい。

以下、もろネタバレを含みます。

以下、このゲームの条件です。

  1. このゲームでは、双方が好き(○)だと+1点。好き(○)嫌い(×)の場合は○→-2点・×→+3点。双方×の場合は-1点になる。
  2. (おそらく)女の子は裏切られる(自分が○を出した時に相手に×を出されると)、次回は確実に×を出してくる。
  3. 10回施行し、終了時に『20点以上持っている』プレーヤーが脱出できる。
  4. 2人とも20点を越えられなかった場合は、2人とも脱出不可能である。(そして、最初にループする(?))

以上の条件から、2の条件を考えた場合、もし仮に一度3点を手に入れる為に『×』を出すと、次は、連続で『×』を出して-1点にするか、『○』を出して-2点になるか、の2択しかない、ということになります。そして、前者の場合は純粋に-1点、後者の場合は『相殺』するだけなので、結果として1ターン損しただけになってしまいます。

このことと条件3が、このゲームの最大のポイントで、これを踏まえて考えると、多分こうなります。

  1. 女の子だけを脱出させたいなら簡単です。どんな状況であっても自分はひたすら「好き」を出していれば、女の子は絶対に20点を越えることができます。但し、自分は犠牲になります。(相方の女の子が脱出してしまった時点で、ここから一緒に出ることは永遠にかなわなくなる→ゲームオーバーなパターン)
  2. 自分だけが脱出する場合、最低8回は双方が『○』を出した上で、9回目 or 10回目で裏切り、かつ、それが成功する必要があります(*1)(*2)(*3)。(エンディングその1)
  3. 二人一緒で脱出することも理論上はできますが、その場合は、10回全部双方が『○』を出し続ける必要があります。(エンディングその2)

それでも、あなたは女の子と『一緒』に幸せになれますか?

...つまり、このゲームにおいて、女の子と一緒になる(脱出する)為には、何があっても「好き」を出し続ければならない、ということなのです。しかし、何度も裏切られ続けている彼女(それはこのゲームにおいても、あるいはこれまでの人生においても(?))は、必ずしも連続で「好き」を出してくれるわけでもありません^^;。

裏切られた場合、無限ループに持ち込む為に、わざと「嫌い」を出さなければならないこともあるでしょう。文字通り『やさしい』だけでは、必ずしも二人で幸せにはなれないのです:-)。そして、8回信じあった後の9回・10回目の『裏切り』は、そこで裏切れば"確実に"『逃げられる』、あるいは『無限ループに持ち込める』という条件が付くだけに、双方にとって、とても『誘惑的』なものになったりするわけで...。(9回目で片側が裏切った時の台詞って、そういうことなんだよね。それは、何回もやっているうちに気づいてしまうのだ。)

けれども、それを乗り越えないと、二人とも幸せになることもないわけで...。

自分も救われ・他人も救う...言葉でいうは簡単だけど、実は、(最後は)命がけ。こちらがいくら信じても、相手に簡単に逃げられてしまうこともある...というところが、このゲームの味のある部分だと思ったりします^^;。(余談、後半の脱出部分とかは更にひどいけどな。笑。ついでにいうと、彼女もかなりいい性格をしてるけどな。いろんな意味で。だが、そこがこのゲームの魅力なのでしょう^^;。いい子だったり、他人の助けを素直に受け入れ感謝する様な娘だったら、このお話は成立しないからなー。笑。)

...他人を助けるのって難しいね?

それでも、二人とも幸せになるために、何がなんでも最後まで『好き』のカードを出させたい、出し続けたい...そう思い始めたとするならば、それはたぶんこのゲームのツボにはまった...ということになるのでしょう。笑。

...そういうわけで、このゲームは紛れもない『エロゲー』(あるいは萌えゲー)だと、自分は思ったりもするのです。(まぁ、エロ絵は出てこないけど。っていうか、エロゲーってやったことないけど^^;)すべてのエロゲーがそうなのかは知りませんが、少なくとも「こういう方法を取れば女の子と結ばれる」という方程式が存在するタイプのエロゲーでは味わえない感覚があるのではないかなー?とか、勝手に思ったりもするのです。笑。

おまけ:脱出編の攻略法

3本目の剣以外は「いいえ」を選びましょう。この部分だけは単純な理不尽ゲーなのです(笑)。